若手ながら注目を集めている女優の髙石あかりさん。
2025年度後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』でヒロインに選ばれ、一躍話題となりました。
この記事では髙石あかりさんのデビューのきっかけや代表作、そして朝ドラヒロインに抜擢された理由を分かりやすくまとめてみました。
それでは早速本題に入りましょう。
髙石あかりのデビューと経歴
髙石あかりさんは2002年12月19日生まれで宮崎県出身です。
小さい頃からドラマが好きで『花より男子』を観て女優を志し、小学6年生から歌とダンスのレッスンに通いました。
12歳で福岡のエイベックス・アカデミーに通い、勉強も優秀で学校の成績はオール5だったそうです。
2014年、エイベックス主催の「キラットエンタメチャレンジコンテスト」でナルミヤオンライン賞を受賞して芸能界入りし、2016年からは育成ユニット「α‑X’s（アクロス）」に参加。
ダンス＆ボーカルユニットα‑X’s（アクロス）では、寮生活で朝から晩までレッスンを重ねてAAAのツアーにも同行しました。
2018年のユニット卒業後は俳優業に専念し、2019年4月に芸名を「あかり」から現在の芸名「髙石あかり」に変更し、本格的に女優活動を開始します。
尊敬するAAAの西島隆弘さんのパフォーマンスから多くを学び、舞台『おそ松さん』や『鬼滅の刃』などで経験を積みました。
〜名義を「あかり」から「髙石あかり」に変更し、俳優として本格始動。〜「α-X’s」時代からさんを追っているねとらぼエンタのインタビューでは、グループでの活動当時を振り返り「自分の将来について考えたときに、女優一本でやりたいという選択肢しか思い浮かばなくて〜」と俳優として生きる覚悟を語っていました。
髙石あかりの光る演技力
髙石あかりさんの演技の強みは、「目」と「間（ま）」と「身体コントロール」です。
声や大げさな表情に頼らず、視線の揺れ・呼吸・微細な動きで感情を立ち上げるタイプと言われています。
- 目の演技：黒目の揺れ・焦点の合わせ外しで感情を可視化。
- 間（ま）：言い終わりや言い出しの“半拍”で、ユーモアも緊張も作れる。
- 身体コントロール：呼吸・首の角度・手指まで一貫した設計。長回しに強い。
- 引き算：語らないことで想像を広げ、キャラを“好き嫌い”で終わらせない。
- 相手の活かし方：相手の熱量に合わせて自分の温度を調整し、シーン全体を底上げ。
それでは、髙石あかりさんの代表作から彼女の光る演技力を見てみましょう。
『ベイビーわるきゅーれ』――無表情×スピードのギャップ
この映画は髙石あかりさんの代表作で、ヒットして続編も制作され、2023年のTAMA映画賞最優秀新進女優賞を受賞しています。
髙石さんは、伊澤彩織さんとのダブル主演で、高校生の殺し屋・ちさと役を演じました。
初めて銃を使うアクションに挑戦した彼女は、「悔しさを楽しさに変えられるくらい役に没頭した」と当時を振り返っています。
無表情の中に体温を残す演技や、銃を構える手つき→呼吸→歩幅までの芝居のつなげ方、アクション直前のわずかな溜め（1秒の“待ち”）が効いてキレ味が倍増する彼女のシーンが光った作品です。
『わたしの幸せな結婚』――冷たさの中に滲む情
この映画ではクールな義妹・斎森香耶役を演じました。
- 冷淡なキャラクターでも目線の落とし方・戻し方で「言えない優しさ」を匂わせる、横顔の下まぶたの動きや吐息の浅さをコントロールしてセリフが少ない場面でも感情の層を増し、結果として“嫌な人”で終わらせずに人間味のある陰影に着地させる演技力が光りました。
メディアや評論家の髙石さんの演技力への評価も、「自然体で引き算の芝居が光る」「台詞のないシーンでも表情豊か」と高い評価が集まりました。
『夏の砂の上』――余白が語る“引き算の芝居”
- 返事をすぐにしない1拍の遅延が、心の奥にある迷いや情を運ぶ。
- 音を立てない体の向き直しなど、所作の静けさが絵になる。
- 相手役の温度に合わせて空気を変える共鳴力が高く、関係性の機微が画面ににじみ出ている。
- 静かなシーンでまばたきの回数を落とす→視線だけで相手を受ける、という“引き算”の芝居が光りました。
舞台『鬼滅の刃』――身体性と“抑制”の両立
- セリフの少ない役でも、呼吸・姿勢・重心移動で気配を立てられるのは舞台仕込み。
- 感情を爆発させるより、抑えて伝えることができるため、映像でもアップに耐える繊細さが光りました。
悔しくて撮影後も練習〜
この映画で伊澤さんと私は女子高生の殺し屋コンビを演じて、今回の撮影は長回しが多くかったです。掛け合いだけではなく日常のシーンでも。例えば、おでんを食べるシーンは台本５、６ページ分を長回しで撮影しました。毎朝セリフ合わせをしながら、よく２人で頑張ったなと思います。
朝ドラ『ばけばけ』ヒロインに抜擢された理由
今回の『ばけばけ』オーディションには2,892人が応募。
髙石あかりさんにとって、朝ドラのオーディションは「舞いあがれ！」「あんぱん」に続いて3度目の挑戦でした。
審査は書類・映像選考からスタートし、書類審査は、なんとテーマが『化ける』という言葉を使ってエッセイを書くという課題が出され、自分なりの“化け方”を文章で表現するというユニークな試験でした。
最終段階では髷（まげ）や着物を付けた本番さながらのセットで実技が行われました。
候補者9人が順に演じる中、髙石あかりさんは自身の出身である宮崎弁を取り入れたり、映画『ベイビーわるきゅーれ』さながらのテンションで演じたりと、自分らしさを貫いた即興演技を楽しく披露したと語っています。
三次審査で、対面で演出の方々に芝居を見てもらえる機会があり、皆さん全然かしこまってなくて、ワークショップみたいな感じでした。普段であれば演出の方々が椅子に座っていらっしゃるんですが、逆に私たちが座ってお芝居をして、その周囲を皆さんが見ているという形式で、ワクワクしてとにかく楽しかった。
オーディションで髙石さんの演技を見た審査員の一人脚本担当ふじきみつ彦氏は、
「自分が明治時代の松江にいて、のぞき見してるような感覚に陥った」
「彼女がカメラの前に立った瞬間、松野トキが目の前に現れたようだった」
「即興の芝居のはずなのに、自然に見えてその場の空気を変えてしまった」
と、彼女の演技を大絶賛。
本番さながらの実技試験を行なった最終審査では、審査員全員が髙石あかりさんに票を入れ、満場一致でヒロインが決定したといいます。
それほどまでに髙石さんの演技が審査員の心を掴んだことが窺えます。
撮影が始まった現場でも、髙石さんの演技の評判は良く、制作統括を務める橋爪國臣氏は、「あまりに自然で、演技なのか演技でないのかわからない、芝居をしているように見えない」と髙石さんの演技を絶賛しています。
また、髙石さんの演技があまりにリアルなので、髙石さんがお芝居の演技中だと気付かずに途中で演技を止めてしまった役者さんもいたと現場のハプニングを明かしてくれました。
まずは、ヒロインオーディションに参加して下さった皆さん、本当に本当にありがとうございました。『ばけばけ』のオーディションは、小泉セツさんのイメージに一番近い人を選ぶというものではなく、セツさんってきっとこんな方だったんだろうなと思わせてくれる方と出会う場だったように思います。そして、髙石あかりさんの最終オーディションを拝見した時、自分が明治時代の松江にいてハーンさんとの会話を覗き見ているような感覚に陥りました。髙石さんがセツさんに化けて、セツさんが髙石さんに化けて、目の前に現れたような…。
皆さんにも是非出会って欲しいヒロインです。（脚本家：ふじきみつ彦氏）
まとめ
髙石あかりさんは、幼い頃から夢を抱き、厳しいレッスンや舞台経験を積み重ねてきた努力家です。
映画『ベイビーわるきゅーれ』での自然体かつ大胆な演技が評価され、TAMA映画賞を受賞するなど確かな実績を築きあげ、朝ドラ『ばけばけ』のオーディションでは、9人の最終候補の中から審査員全員一致でヒロインに選ばれるという快挙を達成しました。
朝ドラ『ばけばけ』の発表会見を終えたとき、髙石さんが自身の携帯を開いたら200件以上もメッセージが届いていたそうです。
周囲の人たちへの感謝の気持ちをいつも忘れず、大切にしている髙石あかりさん。
今後も様々な役柄に挑戦し続ける彼女の活躍に期待したいですね。
それでは、有難うございました！
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